Noize MC
ロック色の強いラップというジャンルでは、唯一の成功者。かつ、他のアーティストとのコラボレーションにも積極的で、周囲にとても愛されている感がある。ロックバンドとしての活動も有名なので、ヒップホップに関心のない若者の間でも知名度がある。
1985年3月9日、ロシア連邦のスモレンスク州ヤールツェヴォに生まれる。本名はイワン・アレクサンドロヴィチ・アレクセエフ。8,9歳の頃から詩を書き始める。10歳の時に音楽学校に入学し、クラシック・ギターを習う。2年後に母親とともにベルゴラドに引っ越し、その街のクラシック・ギター・コンテストで優勝する。13歳で最初のバンドを組む。その頃の彼の音楽の趣味は、NirvanaやTHE PRODIGYなどであった。2001年に音楽学校を優秀な成績で卒業し、その後モスクワへ移住する。2003年にバンド「Protivo Gunz」を結成。ロック・バンドだったが、イワン自身は徐々にラップに目覚め、Noize MC名義での活動が始まる。そのデモはネット上で広まり、Noize MCはフリースタイル・バトルなどに参加し、幾つかの勝利を収める。バンドとしてもモスクワ内のクラブや野外でライブを行うが、この当時はまだ寮で暮らす大学生であった。
2006年に、ソロとしてKastaのレーベルRespect Productionに加入。Protivo Gunzもアーバン・サウンドという大会で優勝し、PVがテレビで放映されるようになる。並行してNoize MCとしてヒップホップ界で注目を集め、2008年にデビューアルバムを発表。2010年にロシアの石油企業ルクオイルの当時の副社長アナトリー・ヴァルコフを批判するラップを読み話題になる。事の発端は、ヴァルコフが起こした交通事故を警察が揉み消したという疑いがあったからである。ヴァルコフのメルセデスが衝突したシトロエンには女性が二人乗っており、二人とも命を落とした。その内の一人がNoize MCの友人の妹だった。「メルセデス666」というタイトルが付けられたこの曲には、PVも作られネットで拡散された。2012年に発表したアルバム「Нового альбома (New album)」は、ネット配信されるやいなやダウンロードが集中し、オーバーロードを引き起こした。
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