Category Archives: Rem Digga

Нигатив : Nigativ

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Nigativ

ユニットТриада (Triada)のメンバー。インパクトのある強面に、高い声が特徴的。

本名はヴラジミール・アファナシエフ。1981年12月4日生まれ。ロシア南部の街クラスノダール出身。14歳頃からラップを聴き始め、間も無く自身でも書き始める。その後ギターやアコーディオン、トランペットなどを習うが、そこまで上達はしなかったようである。1999年にはДино(Jino)(1000 словのジーノとは別人)とTriadaを結成。二人が強く影響を受けたのは、2Pac、 Wu-Tang Clan、Nas、Eminem、Dr. Dre、Public Enemyなど。2006年にソロデビュー以降、 Triadaの活動と並行してソロでも活躍し、2017年現在までに6作もアルバムを発表している。Triada名義の作品と合わせると何と15作である。相棒のJinoも2016年にようやくソロデビューしている。若い頃から古典文学を好み、ロシアを代表する作家プーシキンやエセーニン、チェーホフなどを良く読んでおり、2010年にはミステリー小説を執筆し出版もしている。

Рем Дигга = Rem Digga

Rem Digga

Rapper from Gukovo, Russia.

He creates music from his childhood. He and his old friend Shama formed unit Suicide. In 2006, Suicide‘s album “Brutal Theme” was released. In 2009, Digga has released his solo album “Perimeter”. He recorded this album in his bedroom, it’s because he was confined to bed after accident (he fell down from 4th floor). Now he is sitting in a wheelchair. In 2011, 2nd album “Deepness” was released. He collaborated with many artists in this album. In autumn 2012, his 3rd album “Blueberry” was released and it has become big hit.

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活動開始当初は、歌詞の内容やサウンド面から、コアなファンが付いているのみのラッパーだったが、今では大変な人気者である。1987年2月1日ロシア南部の街グーコヴォに生まれる。本名ロマン・ボロニン。少年時代から音楽に取り組む。友達ShamaとユニットSuicideを結成し、アルバム「Брутальная тематика (Brutal Theme)」を発表。2009年、酔っ払った勢いで4階の窓から転落して寝たきりになり、ソロアルバム「Периметр (Perimeter)」を寝室で録音することになった。彼はそれ以来車いすに乗っている。2011年にソロ2作目「Глубина (Deepness)」を発表。そして、2012年に発表した3rdアルバム「Черника (Blueberry)」が大変な話題を呼び、知名度も更に上がった。この三作目は、ロシアン・ヒップホップという括りから外したところで見ても、異色なアルバムと言えるだろう。特にGufとのコラボレーション曲「Тайна (Secret)」は、誰もが意外に思う出来栄えだった。それ以降も順調に新譜を発表し続けている。

 

● ● ● DISCOGRAPHY ● ● ●

 

Периметр (Perimeter) : Рем Дигга(Rem Digga)2009
のちに爆発的なヒットを飛ばすこととなるRem Diggaのデビューアルバム。Diggaは、友人Шама(Shama)とユニットSuicideを結成し、2006年に「Брутальная тематика (Brutal Theme)」を発表。ソロアルバムの作成に乗り出した2009年に、酔っ払った勢いで4階の窓から転落して寝たきりになり、それによりこのアルバムはDigga自身の寝室で録音することになった。Diggaはそれ以来車いすに乗っている。このアルバムに関しては、アメリカのHip-hop(特にNasやKendrick Lamarなど)の影響が強く感じられる。コラボレーション・アーティストとして相棒Shama、Песочные Люди (Pesochinie lyudi)のЖара (Zhara)らが参加している。

Глубина (Deepness ) : Рем Дигга(Rem Digga)2011
Rem Diggaにとって、ヒットへの足がかりとなった2ndアルバム。前作とは似ても似つかぬほど、すでにRem Diggaらしさ全開で、一曲目から唯一無二の彼の世界観が打ち出されている。デビューからわずか数年でここまで飛躍している事実が、Diggaのラッパーとしての真剣さを物語っている他、その間の自身の葛藤がうかがわれる。他のアーティストたちとの交流も深まり、Smoky MoやТриада (Triada)のНигатив(Nigativ)、この後も度々コラボレーションを重ねることとなるThe Chemodan、もはやこの頃には大御所だったKastaのVladiらがゲストとして参加した。かつて聞いたことのないスタイルと激しい歌詞が、確実にHip-hopファンの心を掴んだ。

Черника (Blueberry) :  Рем Дигга(Rem Digga)2012
2012年代表するリリースといえば、Guf、Vladi、Karandashが真っ先に浮かぶところだが、若手の中で群を抜いて輝いていたのが、このDiggaの3作目「Черника (Blueberry)」だった。一曲目から、過去のものとは似つかわしくない空気感が漂い、アルバム全体を通して、Diggaのファン、ロシアのHip-hopリスナーはもちろん、ロシアのラッパーたちにも衝撃を与えた。コラボレーションとしては、女性シンガーが数人参加していることに加え、Gufとの共作「Тайна(Mystery)」が、その意外性もあり注目された。音楽面は、ほとんどDigga自身が手がけているが、2曲目の「Синдбад(Sinbad)」は、作曲にKastaのVladiが参加している。

Людоед(Man eater) : Рем Дигга(Rem Digga)2014
「Черника (Blueberry)」の大成功を経ての4作目。2年の間にRem Diggaは、以前から共演していたSmoky MやNigativらに加えて、CENTRのSlim、ウクライナのGigaなど新しい人々ともコラボレーションを行い、またシングルなども発表していたので世間はDiggaを忘れず、このアルバムに大きな期待をかけていた。また、仲のいいThe Chemodanとの共同制作アルバム「Одна петля(One loop)」も、この年の1月に発表したばかりで、そこからのこのスピード・リリースはさらにファンを喜ばせた。収録曲の中からは、女性シンガーManiaをフーチャリングした「Город Угля(City of the Coal)」のPVが公開され、その後はСлеп Ро(Slep Ro)、Muroveiとの共演曲「4 топора(4 Axes)」にもPVが作られた。

Черника и Циклоп(Blueberry and Cyclops) : Рем Дигга(Rem Digga)2016
Триада(Triada)、Кажэ Обойма(Kaje Oboyma)、KastaのVladiと、ずいぶん異色な面々をゲストに迎えた5作目。タイトルからも読み取れるように、大ヒットした3作目「Черника (Blueberry)」の続編的な意味合いで制作された。しかし、サウンド面に、今までになく都会的でスタイリッシュな要素が加わっていることもあり、3作目の延長線上にあるという事実は、一見よくわからない。アルバム「Blueberry」においては、Gufとのコラボレーション「Тайна(Mystery)」が取り立ててヒットしたが、今回は同じ意味合いでKaje Oboymaとの共演作「Бывшая(Ex)」、その思いがけなくメロディアスでロマンティックな仕上がりのせいで特別目立っている。

42/37 : Рем Дигга(Rem Digga)2016
前作「Черника и Циклоп(Blueberry and Cyclops)」が2016年の2月リリースだったが、同年秋には、すでにこの新作を発表した。「Blueberry and Cyclops」が、過去の作品の続編というテーマを持った、一種のコンセプトアルバムであったことも、このスピード・リリースの理由としてあるだろう。今回は、その前作の空気感からかけ離れたダークで激しい曲調をメインに構成されていることが見て取れ、それがある意味、意識的であるようにも感じられる。長い活動期間の中で、作風を変え試行錯誤していくラッパーは多いが、Rem Diggaほど何をしても基本がブレずに、これこそDiggaだ…と、常にその個性を強く感じさせるラッパーは珍しい。今後もそれだけは変わらなさそうである。