Guf - Next album coming in 1 november. The title of the album is “Сам и…” ( pronounced as “Sam i”) . it means “Myself and…” but at the same time – son of Guf is called Sami and on the jacket of the album painted silhouette of Guf with a little boy. So there is the possibility that this title has a double meaning.
次のアルバムは11月1日発売予定。タイトルは”Сам и…“(Sam i…と読む)。意味は”Myself and…”だが、Gufの息子の名前がSamiで、アルバムのジャケットには息子と手をつなぐGufのシルエットが描かれていることから、息子が生まれてからの自分を表現しているようにも受け取れる。
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この前 ”老い”について深く考えてみた
窓辺に座り込んで思ったんだ どんなものだろうかって
青い芝生と 流れる灰色の煙を眺めながら分かったこと
それは 若者でいることを止めるとき
俺も歳をとるんだっていうこと
もちろん残念だ 何にでも終わりがあるっていうのは
唐突に入ってきた誰かが 断りもなく電気を切るみたいで
味わうのは 正真正銘の終わりのない孤独
まぁなにも今に始まったことじゃない
バーンと音がして 全部無くなるってだけだけど
このところちょっとした恐怖を感じていた
あぁ正直に認めるさ 確かに怖かったんだ
映し出される自分の姿に当惑してた
今まで嬉しかったことが そうでもなくなったりして
隣に年上の人間がいるってのは 良いものだろ
自分が一番の年長者じゃないっていうあの感じは
それに酒売り場で 店員が俺の顔とパスポートを
見比べて 年齢をうかがってくるのも楽しいもんだ
巡回中の民警が 三人で近づいてきて言う
「おい、50ルーブルくれよ」って それも歓迎だ
それにサム*のことを 俺の弟だと思われるのだって
もちろん嬉しいさ 本当のことなんだぜ
いま俺は32歳 新しいCDが出るころには
33歳になっているはずだ
どう足掻いたって 道のりの半分は背後にあるんだが
なんでだか笑い飛ばすわけにもいかない
まぁこれが進むべき道だったっていうことで
左胸の痛みも たぶん神経科の扱う問題だろう
止まれだの 道を逸れろだの
渋滞は過ぎるまで待てだの 乗客は言うが
俺はたった一人でここまで来た
*結局 今日も明日もいずれは”昨日”になる
昨日と今日だって 前は”明日”だった
それだけで 朝を待つ意味がある
そして計画を立てて その先を見るんだ
今日も明日もいずれは”昨日”になる
昨日と今日も 一度は”明日”だった
朝まで生き延びる意味が そこにある
そしてまた計画をたてていく
カフェのテーブル越しに またラインが生まれる
アリョーシャ*はイポーシャ*から始めて
オキドキ*にて歌い終える
サーモンのステーキに、米、オレンジジュース、
ビタミン、サラダにジャスミンティー
あっという間に魚を食べ終え 代金を払って
皆のために平和を願い 大型車に乗り込む
トベルスカヤ通りに向いながら 静かにラップを鳴らす
煙を吐き出し 電話で用事を片付ける
家は清潔なのが一番 奥様も幸せ 犬は満腹
チビは子守りが寝かしつけている
俺は玄関で立ち止まった 今俺が居るべき所はここなのか
それともここではないどこかなのか
ソファーに沈み込む 財布に多少の重み
良い香りで俺を誘ってくる いや ダメだ
今夜はしらふで過ごすことに決めているんだから
もし吸うものがなにも無かったとしたらだが
でも俺の腹にはザモスクヴァレチのタトゥー*が
彫ってあるもんだから また俺は苦しみ暴れ
そして回復することを繰り返す
バルコニーで一服するのが習慣になっている
まぁどこで吸おうとかまわないんだが
下に見えるのは子供のサッカー場
親を待つ放課後の子供たち 0対0ってとこか
子供の泣き声 芝生の上に赤いしぶき
ひどく痛がっている
俺の指を 煙草の火が焼いた
* 繰り返し
歯医者の椅子に座り 気持ちが高ぶってきた
ノヴォシビルスク行きの飛行機が7時半に出る
今は6時 なんとしても間に合わないと
スーツケースはもう詰めてあるが
医者はまだドリルで穴をあけている
あとどのくらいかかるのか尋ねた方が良い
質問してから 俺はまた”老い”について思い出した
医者はマスクを外すと言った「もうじきですよ」
またしても複雑な気分に襲われたが
つまりは そういうことらしいんだ
結局 今日も明日もいずれは”昨日”になる
昨日と今日だって 前は”明日”だった
それだけで 朝まで待つ意味がある
そして計画を立てて その先を見るんだ
多くを知れば 早く成長するってこと
手を強く握りしめ ばあちゃんは囁いた
「年齢なんて関係ないよ 90だろうと20だろうと
笑い方を知ってる者が 笑うってだけさ」
注訳/
サム:Gufの息子。現在2歳。
アリョーシャ:Gufの本名アレクセイの愛称。
イポーシャ、オキドキ:いずれもロシアの日本食チェーン店。
ザモスクヴァレチ:モスクワの中心部。
その地図のタトゥーがGufの腹部には彫ってある。


